表情筋と加齢変化

ボツリヌストキシン治療は、いまや世界中で最も多く「最初に美容の門をたたく」時に行われる治療です。

30代を過ぎてくると、人種問わずシワやたるみが気になるお年頃になります。
ボツリヌストキシン治療は、直接表情筋にアプローチできて「毎月マメに通う必要がない」「10分かからない」
「数万円代でエステより確実な効果が出せる」治療です。
本当に便利な時代になってきました。

こちらは「双子の文献」と言われる、双子の女性を10年以上にわたり長期フォローアップした結果を論文化したものです。

20代後半のころの二人は、まだ加齢の影響を受けていないため、双子だけあってそっくりでした。
一人(写真右側)だけが10年以上、眉間のボツリヌストキシン治療を継続したのです。
その結果、双子とは思えないくらい二人の顔貌が変わってしまいました。
この方は、顔全部にボツリヌストキシンを注入してるわけではありません。主に眉間への注入が中心です。

「表情筋がいかに、顔の加齢変化に影響するか」がよくわかる論文です。
10年以上も治療を継続された方(写真右側)は、やはり美容意識がもう一方の方(写真左側)より高いようで
40代になった二人は、その顔貌の変化のみならず体重コントロールにも差が出ていたのも非常に印象的でした。

(そう書いていて、自分もそろそろ本気でダイエットをしないと美容医師としては失格かも…と若干恥ずかしくなりました。)

長期的に、無理ない範囲で美容医療を続けることは、大きくQOL(クオリティ・オブ・ライフ)=生活の質を向上させることがわかります。
「美容医療に取り組むことで、患者様の人生へ貢献しているんだ」と確信が持てる文献でした。

貴重な体験

数年前、ボツリヌストキシンとヒアルロン酸皮膚充填材を製造販売する大手製薬会社に社員として在籍していた数年間で、施注指導を350件ほど行いました。

施注射指導はもちろん治療技術向上になりましたが、社員在籍期間には診療医では決して学べないことを身に着けることができました。
その一つが『薬ができる過程』です。
あのまま診療医だけやっていたら「どのようにして薬ができあがるか」を知らずにいました。
薬が世に出て私たちが使用するまでの本当の過程を知ることは、医療従事者として非常に大切なことです。
その貴重な経験ができた期間でもありました。
現在使用されている数種の製品の「日本での承認取得から、医薬品として販売される工程」が見られたことが、今の私の財産になっています。

ボツリヌストキシン治療

ボツリヌストキシンは、その薬剤の効力が単位数であらわされます。
日本承認品はアラガン社のボトックスビスタのみですが、世界中でいくつものボツリヌストキシン製剤が開発・販売され
美容の大手市場であるアジア圏が経済的に成長している今、美容市場が急速に拡大しつつあり各社がしのぎを削っています。

10年前は、「承認品以外は個人輸入品で、『医師の責任の下、個人的に輸入して使用する』もの」という時代でした。
輸送経路が不透明で温度管理などの品質管理がゆるいものが多く、仕入のたびに力価(濃度)のばらつきがみられたため「承認品以外は使いにくい」という印象でした。
そして、メーカー側の出荷可能力価の振れ幅(プラスマイナス何%まで出荷するという目安)にも非常にばらつきがあり
「同じ10単位使っても、メーカーごとに効き方が違う」という事がおきて、溶解や注入単位には医師の経験とコツが必要でした。

現在、市場が広がったことで適正な競争が起こり、各社の努力により製品差は減ってきています。
2年ほど前、韓国メーカー2社の工場見学をさせていただいたこともあり、韓国美容の勢いと、各社の姿勢を知ることができました。
「承認品・未承認品問わず、医師として適切に薬剤を選ぶことで患者様の希望する治療に役立てるな」と感じたものです。

製剤の選び方

コストを抑えたい方には、未承認品をご案内しています。
当院ではメディトックス社のニューロノックスを採用しています。
メディトックス社は韓国本社ですが、直営の日本支店があります。
そのため輸送経路の不透明さがなく、クリニックに薬剤が到着するまでの透明性があり、品質が安定しています。
なるべくコストを抑えつつ安定した治療を提供したいので、当面ニューロノックスを使用する予定です。

より安全性とブランド力の安心感を得たい方には、断然アラガン社の承認品ボトックスビスタをお勧めします。

ニューロノックス、ボトックスビスタ、どちらも治療を提供する側としては快適な治療が行えるので安心して使用しています。

男性もボツリヌストキシン治療

そして、最近、アラフォー以降の世代男性のボツリヌストキシン治療を希望される患者様が非常に増えてきました。
当院でも、札幌の病院でも、男性患者様は増えつつあります。
人前にでるお仕事をされている方が多く、「はつらつとして見せるためには、若々しさが必要」と皆様口を揃えておっしゃいます。

オトナ世代の男性は、「清潔感を出すためには、お洋服のオシャレのみならず、身だしなみとしてのアンチエイジングが必要」と感じられているようです。

個人的には、男性の場合は「すべてのしわを消す必要はない」と思っています。
特に目尻のしわは、その方の柔和な印象を醸し出している場合があり
そういう骨格の方には、少し笑いジワが残るように調整して注入しています。

さじ加減こそスキル

さじ加減は、人それぞれ。女性も男性も一緒です。
そのさじ加減を調整して治療を行えるから、注入治療は医師としても楽しくてやめられないのです。
治療のたびに患者様としっかりお話をして確認し、その方の個性を残したまま若返る注入法になるよう加減します。
女性だけでなく、男性も社会で輝けるお手伝いをできること何よりの励みになります。

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